内申点とは ~埼玉県公立高校入試制度の特徴~
定期テスト後、気になるものと言えばやはり「通知票」の評価です。
通知票は後の内申点となり、公立高校・私立高校問わず自分の進路に大きく関わります。
ここでは、そんな気になる内申点や通知票の付け方について「これだけは!」という情報を、2回に渡ってザックリとご紹介していきたいと思います。是非お子様と一緒にご覧になってください。
「内申点」って何?
内申点=通知票の成績・部活動の成績・検定の取得等を全て数値化し、これらを合計した点数のことを言います。
中でも大きな割合を占めるのが「通知票の成績」です。ですから、大まかに考えれば内申点=通知票の成績と言えます。
埼玉県の公立高校受験は、当日のテスト500点分(国・数・英・理・社の5教科×100点)にこの「内申点」が上乗せされ、「テストの点数」+「内申点」で合否が決まります(これを加算方式と呼びます)
テストの点数は「500点満点」と決まっていますが、内申点の満点は学校によって異なります。350点を満点としている高校もあれば200点を満点としている高校もあり様々です。テストも内申も同じ比率で見る高校(テスト500点+内申500点=1000点満点)というパターンもあります。
ただどの高校にも1つだけ共通して言えることは、「内申点は中1の成績から反映される」ということです。
ですから、単純に「入試当日で点数を取れれば良い」というわけではありません。もちろん当日のテストでちゃんと点数をとることも大事なのですが、ここだけを重視し過ぎてしまうと1・2年生の間勉強しなくなってしまう子が多くなってしまいます。「中3の部活引退後から勉強頑張ればいいや」という子が増えてしまいます。
そうではなく、「中1の時から3年間頑張ってきた子をちゃんと評価したい」という考えで受験を行っているのが、埼玉県の特徴です。
その高校が内申点を何点満点にしているのかは、↑こちらの「選抜基準表」で閲覧することができます。
「選抜基準表」 https://www.pref.saitama.lg.jp/f2208/28senbatsukijun.html
こちらのURLよりダウンロードできます。
内申点=通知票の成績+活動の記録で決まる
内申点の内訳は主に「通知票の成績」と「活動の記録」の2つです。
「通知票の成績」は文字通り、学期ごとに配られる通知票の成績がそのまま点数となります。
例えば、いわゆるオール3の場合、3×9教科(国・数・英・理・社・保体・技家・音楽・美術)=27点という点数が付きます。オール4だったら36点です。
採用されるのは3学期の通知票の成績です。※3年生のみ「2学期の成績」が採用されます。
3学期にもらう通知票の成績は「1年間トータルの成績」だからです。ですから、例えば1学期が「3」、2学期で「4」、3学期は頑張って「5」を取れたとしても、1年間のトータルの成績は「4」となり、これが内申点に反映されます。逆に、1学期で良くない評価が付いたとしても2学期・3学期で挽回することも可能です。
通知票の成績の算出方法ですが、1年生の通知票が「27」、2年生が「30」、3年生が「32」だった場合、合計「89」となります。ですが多くの高校は3年生の成績を重視しています。例えば3年生の成績を2倍で評価する高校の場合、27+30+64=「121」となります(1年:2年:3年の比率が「1:1:2」というパターンです)
中には3年生の成績を3倍で評価する高校(1:1:3)や、2年生を2倍・3年生を3倍(1:2:3)という高校もあります。これも高校によってバラバラですので事前に選抜基準表を見ておくことが必要です。
この「通知票の成績」に、今度は「活動の記録」が加点されます。
活動の記録とは、「部活で県大会に出ました」「委員長をやっていました」「英検3級を取りました」など学校の授業以外での評価ポイントです。
これらが全て数値化され、いわゆるボーナスポイントのような形で自分の内申点に追加されていきます。どの部分を何点満点で評価するかはやはり高校によって異なりますが、「部活動」「委員会」「検定(英検・漢検・数検)」の3つは王道の評価ポイントです。中には「3年間皆勤賞でした」や、「地域のボランティア活動に参加しました」等も加点対象にしている高校もあります。
また、「欠席」「遅刻」「退部」の3つはどの高校でも大きな減点対象となってしまうので要注意です。
「欠席」「遅刻」は「自己管理ができない生徒」、「退部」は「1つのことを続けられず途中で投げ出してしまう生徒」と見なされてしまいます。そしてこの3つももちろん調査書に明記されます。せっかく通知票や検定で点数を上げてもこういったことで減点をしないよう、毎日休まず学校に行き部活に参加することも大切です。
そして「通知票の成績」と「活動の記録」は全てこちら↓の調査書という書類に記録され、高校受験の際に受験校へ提出することになっています。
「調査書」 https://www.pref.saitama.lg.jp/f2208/documents/16-01-02.pdf
こちらのURLよりダウンロードできます。
繰り返しになりますが、内申点は「1年生」から見られます。
テストの点数は3年生になってからでも伸ばせますが、1・2年生の内申点はもう取り返しがつきません。
また、今では私立高校でも内申点を重視する学校が増え、通知票の評価の重要性は一層高まっています。
「テストの成績は良かったんだけど内申が足りていなくて落ちてしまった」ということが無いよう、早めに行きたい高校を見つけて今のうちから準備をしておきましょう!
最後に
今回ご紹介した内容はザックリとした内容ですが、高校受験のシステムは複雑です。特に初めて受験学年を迎える保護者の方にとっては不安なことも多く、学校には相談しづらいという状況もあるかと思います。分からないことや、今さら聞けないと思われること等がありましたら、是非一度アップステーションにお気軽にお尋ねください。
一人でも多くの方に受験の正確な情報を入手していただきたいと思います。
次回は「中学校の通知票の付け方」についてご紹介します!
まとめ
- 埼玉県公立高校入試の合否は学力テスト+内申点の合計で決まる(加算方式)
- 当日のテストが良くても内申点が低ければ落ちてしまう
- 内申点は1年生の成績から全て見られ、3年生の成績が最も重視される
- 1・2年生の内申点は3年生になってからでは取り返せない
- 内申点の内訳は高校によってバラバラ→予め調べておくことが大切
- 「欠席」「遅刻」「退部」は大きなマイナス点となるので要注意
“内申点とは ~埼玉県公立高校入試制度の特徴~”へ1件のコメント
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偏差値もそうですが、内申点も受験生を管理しようとする教育側(学校と塾)の都合だと言う気がします。
受験の点数一本で決めた方が良いのでは?
すべてに過保護、軟弱な若者を作っている気がする。
中3の受験生を持つ祖父より