相談することの大切さ
春休みも終わり、新しい生活がスタートしましたね!
ご入学・ご進級おめでとうございます!
新しいクラス・新しい教科書・新しい友達…
これからの学校生活がより一層充実したものになることを心から願っています。
一方で、
環境の変化は心をワクワクさせると同時に大きなストレスの一因になり得るのもまた事実です。
特に新たな人間関係の構築は、子どもであっても大人であっても悩みの種・不安材料と感じている方が多いのではないでしょうか。
「新しいクラスはどんなメンバーなんだろう…」
「隣の席はどんな子が座るんだろう…」
「授業についていけず笑われたらどうしよう…」
そんな不安を感じた時、アップステーションがお勧めする効果的な対処法があります。
それが、
「相談すること」
です。
今回のブログでは「相談すること」をテーマにその目的や効果について分かりやすくご紹介していきたいと思います!
相談の目的~「解決する」ではなく「軽くする」~
ところで相談の目的とは一体何でしょうか?
「困った時は相談してください」と言われてもなかなか実行に移せない理由の一つに、
「相談したところで何も解決しない」
が挙げられると思います。もしくは
「こんなことで相談したら迷惑がられてしまうかも」
といった周囲への気遣いもあるかもしれません。
かくいう私(筆者)ももともとは「相談したところで自分の悩みは解決されない…」「自分の気持ちは誰も分かってくれない…」そんな考えにとらわれていた時期がありました。
確かに相談の目的が「悩みを解決すること」であればその通りかもしれません。
しかし相談の本当の目的は解決することではなく軽くすること、つまり「ガス抜き」をすることにあるのです。
こうすれば悩みは「軽くなる」!
書店に行けば「一瞬で悩みを消す方法」「全ての悩みはこれで解決」といったタイトルの本がズラリと並んでいるのを見かけます。
もし本当に悩みを0にできる必勝法のようなものがあればとっくに広まり、この世から悩みというものはなくなっているはずです。
しかし実際には悩みを抱えていない人などいません。私も、これを読んでいる「あなた」も、あなたの周りの人も道ですれ違うあの人も、誰もが皆何らかの悩みを抱えながら生活しています。
ある意味切っても切れない縁を持っている「悩み」…
確かにそう簡単に解決することはできないかもしれません。
ですが「軽くする」ことぐらいはできるのではないでしょうか。
そんな時絶大な効果を発揮するのが「相談」(ガス抜き)をすることです。
相談することで悩みが軽くなる、そのメカニズムは↑の図の通りです。
不思議なことに、人間は目に見えないもの・姿形が漠然としているものに必要以上の恐怖や不安を抱いてしまうという傾向があります。
お化け屋敷を想像してみてください。私たちが「怖い」と感じるのはお化けそのものではなく「暗くて何も見えないから」「次に何が出てくるか分からないから」ではないでしょうか。もし照明のついた明るい部屋の中であれば恐怖はかなり軽減されるはずです。
悩みもこれとよく似ています。
悩んでいる内容そのものよりも姿形がはっきりしないことが問題の本質なのです。
であれば、話すこと・自分の口で説明すること(これを言語化といいます)で正体を暴いてやりましょう。
「私は今人間関係で悩んでいる。小学校からずっと仲良くしていた○○さんからこの前△△と言われて××な気持ちになった」
このように言葉にすることが悩み軽減の第一歩です。無理に解決しようとせず、まずは気付くこと・理解することが大切です。
これがもし「悩みを完全に解決したい!0にしたい!」という極端な思考に偏ってしまうと「嫌いな相手に転校してもらう」「嫌味を言う先輩に退部してもらう」といった非現実的な手段に頼るしかありません。
だからこそ、悩みは「解決」ではなく「軽くすること」を目指すべきなのです。
相談の効果を高める2つのテクニック
ここで、「相談」の効果を一層高める2つのテクニックをご紹介します。
①紙に書く
悩んでいること・困っていること・不安に感じていることを紙に書くというとてもシンプルでありながら絶大な効果が得られるテクニックです。
文章、箇条書き、図やイラスト…形式は何でも構いません。口頭だけでなく目に見える形に表すこと(これを可視化・見える化といいます)で悩みの正体がよりはっきりと描かれ、「なるほど自分はこのことで悩んでいたのか」という実感を強く得ることができます。
敵の正体を一段上の場所から客観的に眺め、自らの悩みを他人事のように捉えることができたらしめたもの。相談相手を必要とせず自分一人でもできるテクニックです。
②スケーリング
もう1つはスケーリングという手法です。スケーリングとは「点数をつける」「数値化する」という意味です。
私たちのもとにも日頃生徒から
「あの人のここが気に入らない…」
「先輩にあんなことを言われて傷ついた…」
「新しいクラスでうまくやっていけるか不安…」
このような人間関係に関する悩みが多く寄せられます。
そんな時は先の通り「ガス抜き」に徹した後(決して解決には向かわず)、最後に次のような質問を投げかけます。
「相談する前の悩み度・不安感を100%とすると、今は何%ぐらいになったかな?」
するとたった1回、わずか数分間の相談であっても
「50%ぐらいになった」
「40%ぐらいに減った」
という答えが返ってきます。
最初あれだけ大きく膨らんでいた悩みが一気に50~60%も軽減されたのです。帰る頃には別人のようにスッキリとした表情を見せてくれる生徒も少なくありません。
そんな相談の効果をより具体的に実感できるのがスケーリングという手法です。
相談することの大切さ
相談の大切さを裏付けるこんなデータがあります。
厚生労働省の調査(自殺未遂者1516人、自殺既遂者209人)によると、自殺の前に「誰かに死にたい気持ちを話しましたか」という質問に、家族に相談していたのは16.3%、友人にしていたのは8.3%、精神科医に相談していた割合はたったの3.8%だった。
参照:樺沢紫苑『ストレスフリー超大全』(2020)
自ら命を絶ってしまう人のうち、7割もの方が「生きるか死ぬか」という人生最大の悩みを誰にも相談することなくいきなり行動に移してしまうことを表すとてもショッキングなデータです。
これを読んだ時私は、
もし誰かに「相談」していれば、
「相談」の目的や効果が体感として身に付いていれば、
救われる命も相当多かったのではないかと思わずにはいられませんでした。
悩みには「膨張性」という特徴があります。
一人で抱え込もうとすればするほどどんどん膨らみ続けるのが悩みです。
そのガスを抜き心の状態をリセットできる最も有効な手段が相談です。
相談は決して悪いことでも恥ずかしいことでも頼りないことでもありません。
今回のブログを通して
「そっか、相談ってそういうものなのか」
「そんな効果があるのか」
ということが一人でも多くの人に伝わり、子どもたちにとってより充実した学校生活を送れる一助になれればと思います。
新生活を迎えた今、家庭や学校以外で悩みを「相談」できる場所。
これもまた私たちのような個別指導塾に求められる役割なのだと思います。
☆まとめ☆ ・相談の目的は悩みを「解決すること」ではなく「軽くすること・ガス抜きをすること」 ・より効果を高めるためには「紙に書く(見える化)」「スケーリング(点数化)」が有効 ・たった1回の相談で悩みが50~60%減らせることも |