何のために模試を受けるの?~模試を受ける2つの目的~

本番に向けできる限りの準備を積んでいます!

ただ今アップステーションでは公立高校を受験する中3生たちにプレテスト全5回を実施しています!

 

毎週土曜日の朝9時半に集まり、本番と同じく国語→数学→社会→理科→英語の順番で模試を受けます。

 

今回のブログではこのような「模試」は何のために受けるのか…その目的について、私たちが普段生徒に伝えていることを軸に詳しくご紹介していきます。

過去問、北辰テスト、学校の定期テスト…にも共通する内容です。是非1・2年生も参考にしてください!

模試を受ける目的① 取るべき問題はどれかを知るため

取るべき点数はそれぞれで異なります

そもそも入試は100点満点を狙うテストではない

入試本番の「模擬試験」、あるいは「予行練習」という位置づけで実施される「模試」ですが、

大前提としてお伝えしたいのが入試は100点満点を狙うテストではないということです。

 

そもそも入試問題は100点を取らせないように作られています。

 

なぜなら多くの子が満点を取ってしまうと合否の判定ができなくなってしまうからです。

 

わざと差をつけるためにわざと難しい問題が仕込まれている。

 

これが入試の特徴です。

 

例えば埼玉県の数学などは最後の方に「正答率0.3%」のような問題が出されます。

 

0.3%ということは100人中1人も答えられない。

1,000人中3人しか答えられない問題だということです。

 

そんな「超難問」と呼ばれる問題に時間と労力を費やすのは得策ではありません。

というのも、正答率1%未満の超難問も正答率90%以上のサービス問題もどちらも1個4点。配点は同じだからです。

 

じゃあどちらを確実に取るべきかといえば…もちろん後者です!

 

難しい問題はどんどんすっ飛ばしてできる問題から解いていく。

できる問題で確実に点数を取っていく。

これが入試の「イロハのイ」です。

 

入試は自分の行きたい高校の合格点を超えれば良い!

「入試は100点満点を狙うテストではない」

これは言い方を変えると「自分の行きたい高校の合格点を超えれば良い」ということです。

 

高校入試や大学入試では合格点(合格するのに必要な点数)が公表されています。これは北辰テストを受けた後に送られる個人成績表にもちゃんと記載されています。

 

例えば「あなた」が目指すA高校の合格点が300点だとすると、1科目平均60点を取れればOKということです。

 

ただし実際は内申点との兼ね合いがありますので、合格点が300点であれば模試では330点ぐらいを目標にすると良いでしょう。

 

まずはこの目標数値を正確に把握することが大切です。

 

次に自分の得意・苦手によって各科目の目標点を設定します。

例えば「あなた」の得意科目が「社会」で苦手科目が「数学」だとすると、

 

国語 60点

数学 50点

英語 70点

理科 65点

社会 85点

合計 330点

 

このような点数プランが考えられます。

 

ところで、入試で見られるのはあくまでも5教科の合計点です。各科目が何点だったかは一切見られません。

5教科の合計が合格点を超えていたら合格、超えていなければ不合格という非常にシンプルな選別が行われるのが入試です。

したがって、例えば得意な社会で90点を取れたけれど他の4教科が30点だったA君と

80点オーバーの高得点は1個も無かったけれど5教科満遍なく50点を取れたというB君。

同じ高校を受けた場合、合格する可能性が高いのは「B君」です。なぜなら「合計点」が高いからです。

 

もちろん得意科目を持つのはとても大事なことですが、入試はどんなに頑張っても上限は100点と決まっています。

東大生が受けてもノーベル賞受賞者が受けても1科目100点を超えることは不可能です。

であれば、得意科目を伸ばすよりも、「得意は維持」して「苦手を減らす」のが入試の攻略法です。

 

苦手科目とは見方を変えれば「まだまだ伸びしろがある」とも言えます。

今90点取れている科目はどんなに頑張ってもあと10点しか伸ばせませんが、今30点の科目は今後の頑張り次第であと70点も伸ばせるのです。

このように、入試においては得意科目だけに固執するのではなく苦手科目に目を向けることがとても大切ということを覚えてほしいと思います。

 

どこを取るべきか・どこを落としてもいいかを考える

さて、各科目の目標点数が定まったら今度は「どの問題で取るべきか。どこは落としても良いか」を考えていきます。

数学の大問1は確実に「取るべき問題」です!

アップステーション22年度高校入試説明会より

例えば数学の場合「大問1」では計算問題が32点出されます。

ここは比較的点数の取りやすい分野なので大問1では確実に32点を取る。大問2以降では得意な「作図」「確率」「証明」の問題で6点ずつ取る。

 

これで合計50点となり目標達成です。

 

このように目標を細分化する(細かく分ける)ことで

「50点ぐらいだったらいけるかも」という感覚や、

「そうか、こことここさえしっかり取ればあとは最悪できなくてもいいんだ」という安心感を得ることができます。

 

逆にこのようなプランを立てずただ闇雲に「頑張るぞ!」「50点超えるぞ!」と解き始めるのは、地図やナビを持たずに初めての場所に出かけるようなものです。

 

どちらの方が早く正確に目的地にたどり着けるかは比べるまでもありません。

 

点数のプランを立てて実際その通りに取れたかどうかをチェックすること。

 

これが模試の目的その1です。

模試を受ける目的② 時間配分の練習のため

時間の感覚を掴むには繰り返し量をこなすしかありません

2つ目の目的は何と言っても「時間配分」です。

 

サッカーの試合と同じように入試にも制限時間があります。

 

しかしサッカーと違うのはアディショナルタイムも延長戦もPK戦もないということ。劇的なドラマは生まれない。泣いても笑っても50分きっかりで試合終了という点です。

 

この50分という時間をいかに効率よく使えるかが結果を大きく左右します。

 

では実際にどんな時間配分で解けば良いのか。国語を例に、ここでもまた細分化をして見ていきましょう。

 

国語の入試問題は

 

大問1 小説

大問2 語彙・文法

大問3 説明文

大問4 古典

大問5 作文

 

という構成で作られています。

単純計算すると50分÷5で一つの大問にあてられる時間は10分です。

 

そこから自分の得意・苦手によって

大問1 小説 15分

大問2 語彙・文法 5分

大問3 説明分 15分

大問4 古典 5分

大問5 作文 10分

のようにバラつきを持たせていきます。

 

自分にとって最適な時間配分を見出すには繰り返し模試を受け、試行錯誤しながら調整していくしかありません。今まさに中3生たちはその練習をしているのです。

 

「大問4に取れる問題があったのに大問2で出てきた問題に時間を取られそこまでたどり着けなかった…」

 

こんな事態は絶対に避けなければなりません。

 

点数も時間も、予め全体像や見通しを持っておくことがとても大切なのです。

模試でやってはいけないNG行為

やりっぱなしにしないよう、解説授業を行っています

ここまで模試を受ける2つの目的を述べてきましたが、最後に「これだけはやってはいけないこと」お伝えしたいと思います。

 

模試におけるNG行為、それはズバリ「やりっぱなし」です。

 

「よっしゃ、今回は合格点超えた!」

「まじかよ~理科40点しか取れなかったわ~」

「あいつ今回90点だってよ!やば!」

 

で終わらせてしまっては何のために半日かけて5教科のプレテストを受けたのか、

何のために日曜日を使って交通費をはたいてまで北辰テストを受けたのか…

が分かりません。

 

模試は試験当日ではなく「受け終わった後」にこそ真価が表れます。

 

結果が返ってきたら

「なぜ今回は合格点を超えられたのか」

「なぜ理科は40点しか取れなかったのか」

を考えることがめちゃくちゃ大切です!

 

具体的には解き直しをして「本当は何点取れていたのか」をしっかりと把握することです。

これについてはこちらの記事「学力のゴールデンタイム テスト後にやるべく3つのこと」で詳しく紹介していますので是非ご覧ください。

 

サッカーでも吹奏楽のコンクールでも、結果だけに囚われて「良かった」「ダメだった」終わらせてしまうのか。

それともなぜその結果になったのか・今後どうすれば良いかを考えるかで次回以降の成績が大きく変わります。

 

例えば今回は惜しくもPK戦で負けてしまった…のであれば日頃の練習メニューにPKの練習を取り入れるという改善策が思いつくかもしれません。

 

後半のアディショナルタイムでスタミナが切れて失点してしまった…のであれば走り込みの量を増やすという案も出てきます。

 

勉強も全く同じです。

 

数学の計算ミスで3問落としてしまったのであれば今後は面倒くさがらずに途中式をちゃんと書くという改善策が出てきたり、

 

国語の作文問題の途中で時間切れになってしまったのであれば次回は「作文から解くようにしよう」と気付けるようになるものです。

 

ただしこれらは「結果をよく分析する」というステップを踏まなければ決して得られないものです。

分析することで「どうすばいいか」が必ず見えてきます。

まずは勇気を出して自分の解いた答案を広げてみてください!

 

模試は一喜一憂してしまうものだからこそ…

「模試」はついつい結果に一喜一憂してしまいがちです。

特に本番が近づくほどその傾向は強まります。

できなかった問題を後で見返すのはとても勇気のいることでしょう。

「周りの皆も解き直しなんかやってないから別にいいや」と思うかもしれません。

 

しかし、だからこそ結果を冷静に分析することで大きく差を付けることができるのです。

前回の模試から大きくジャンプアップを果たした子はこのステップを必ず踏んでいます。

返却された答案を広げ、結果と真正面から向き合っているのです。

 

全5回のプレテストも残りあと1回となりました。

今こそ模試を受ける目的を思い出し、冷静さを取り戻すべき時です。

今まで受けてきた模試には「今後どうすればいいか」のヒントがたくさん詰まっています。

 

本番に向けて、できる限りの準備をしていきましょう。私たちも早起き頑張ります!

 

~まとめ~

・模試を受ける目的①は「取るべき問題はどれかを知ること」

・模試を受ける目的②は「時間配分の練習をすること」

・入試はそもそも100点満点を狙うテストではない

・得意を伸ばすよりも「苦手を減らす」のが入試の攻略法

・模試でのNG行為は「やりっぱなし」

 

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