新大学入試制度とアップステーションの対策~後編~
前回のブログでは、5月に発表があった「新大学入試」のサンプル問題を交えてその詳細と傾向について紹介しました。
今回はその続き、「じゃあアップステーションではどんな対策をしているのか」がテーマです。
目次
思考力問題(記述問題)とは
新大学入試と従来のセンター試験との最も大きな違いは、国語と数学で「記述問題」が出されることです。
これまでの「詰め込み教育」による知識の争いではなく、柔軟な思考力・発想力を身につけさせるのが目的です。
これは従来のマークシート型、つまり「答えを選ぶ」時代から「答えを創る」時代へ大きく転換することを意味しています。そしてその波は、実はもうすでに小中学校にも押し寄せているのです。
記述問題は別名「思考力問題」や「表現の問題」とも呼ばれます。
細かく言うとそれぞれ定義は異なりますが、便宜上ここでは同義語として話を進めていくことにします。要はその名の通り自分で考えて、自分の言葉で答えを述べる問題のことです。
「次のア~エから適するものを選びなさい」ではなく、「なぜそうなるのか。理由を説明しなさい」
これが思考力問題です。当然「文」で答えを書くことになり、そこで漢字のミスや正しい日本語を使えていないと減点対象となってしまいます。
実際どんなものがあるのかを見てみましょう。
【数学】
【英語】
【理科】
【社会】
これらは全て、今年度(2017年度)の1学期に中学校の定期テストで出題された問題です(中1~中3)
小学校の方は割愛しましたが、思考力を問う問題は今やこのように小中学校の全学年に渡って頻繁に出題されています。
一昔前は「文で答える問題」と言えば何となく国語のイメージがありましたが、今はいわゆる暗記科目と称される理科や社会でさえも出題されています(埼玉県の公立高校入試では理科・社会の約30%が思考力問題です)
これは決して「大学入試の話だから」と先延ばしにできない問題であり、今のうちから慣れておく必要があると言えるのではないでしょうか。
アップステーションの対策①「発問によって思考するクセを身に付ける」
ところで、「発問」という言葉をご存知でしょうか。
教育学の分野でよく使われる用語なのですが、類義語として「質問」があります。両者の違いは以下の通りです。
質問…答えが1つに限定されるもの。
発問…生徒によって答えが異なるもの。
例えば…
「ドイツの首都はどこでしょう?」
「塩酸は何性ですか?」
「templeの意味は?」
これらは答えが1つに限られるので「質問」です。
一方…
「素数ってどんな数だと思う?」
「◯◯君が知っている酸性の物質、5つ書いてごらん?」
「この英文のどこが間違っていると思う?」
これらは生徒自身の考えによって答えが異なるので「発問」です。3人いたら3通りの答えが返ってきます。
で、ずばり思考力を鍛えるのに効果的なのは圧倒的に「発問」の方です。
例えば中3生の1学期の数学で「素数」という単元が出てきます。
「素数というのは2、3、5、7、9…みたいに、1とその数でしか割り切れない数字のことだよ。1は素数じゃないから気を付けてね。分かった?」
と、講師がいきなり答えを教えてしまうのはあまりにももったいない気がしてなりません。
それに、余談ですが「分かった?」と聞かれたら大抵の生徒は分かっていてなくても「はい」と答えてしまうものです。
そこで…
例えば↑このようなノートを見せて
「素数ってどんな数だと思う?」
と聞けば、生徒は「思考する」ことができます。
もしかしたら見当違いなヘンテコな答えが返ってくるかもしれませんが、全然構いません。新しい単元なのでむしろそれが普通です。ここで大事なのは正答を言えることではなく、考えることです。
(3、5、7がある…じゃあ「素数」って奇数のことか?いや、でも2があるから違うか…。右側のグループには偶数が多いけど…でも1も9もあるしなぁ…)
この思考の過程がめちゃくちゃ大事です。
確かに講師がいきなり答えを教えるやり方は最も手っ取り早く、楽です。しかし手っ取り早い分、忘れるのもやはり早いです。
思考力問題は「公式を一夜漬けで覚えれば何とかなる」では通用しません。普段から思考するクセを身に付け、自分の考えを述べる経験をたくさん積んでこそできるようになります。そしてこれは自分一人の力、あるいは大人数の中では中々できないことでもあります。
「発問」は、思考力UPのゴールデンタイムを生み出す効果的なテクニックです。アップステーションの授業では発問を多用し、生徒の思考を促しているのです。
アップステーションの対策②「基礎学力の定着」
もう1つ、思考力問題に必要不可欠なのが「基礎学力」です。
基礎学力とは国語の「漢字」、数学の「計算」、英語の「単語」、理科社会の「用語」のことを指します。
アップステーションではこれらをしっかりと頭の中に「詰め込む」ことを重視しています。
「ん?でも、そもそも思考力問題ってそういう詰め込み教育を回避するためのものなんじゃないの?」
と思われた方もいるかもしれません。
確かに詰め込み教育は柔軟な思考や発想力を損ねてしまうおそれがあり、画一的で生徒が退屈してしまうという意見はその通りだと思います。
ですが…
確かな知識がないままでどうやって「思考」することができるのでしょう。
基礎学力とは言わば思考の材料であり、土台です。十分な食材が揃っているからこそ、シェフは初めて実力を発揮することができます。どんなに腕の良いパティシエでもスポンジ無しでショートケーキを作ることはできません。
プロ野球選手は、なぜ試合前に必ず「キャッチボール」を行うのでしょう。あんな(と言っては失礼ですが…)全く野球をかじったことの無い素人でもできるようなことを。
それはキャッチボールの中に野球の基礎が詰まっていることを知っているからです。本番の大事な場面で暴投をしないために入念にキャッチボールをするのです。
リトルリーグや中学校の野球部を見ても最初に行うのは決まってキャッチボールです。いきなりノックの練習から入るチームなど見たことありません。「投げる」「見る」「捕る」という基本的な動作ができるようになって初めてトスやノックなどその場その場で臨機応変な対応が求められる応用練習を行えるようになるのです。
基礎学力もこれと同じです。
何回も紙に書いて、声に出して読んで、自分でテストをして…もはや「作業」と言った方が適切かもしれませんが、こういった地道な努力を積み重ねて初めて「思考」することができるようになるのです。
先ほどの素数の例でも、「奇数」や「偶数」といった基礎知識が備わっているからこそあれやこれやと思考することが可能になります。そうでなければ思考の拠り所がなくフリーズ状態になってしまいます。
確かに基礎学力の勉強は地味で退屈です。
しかしこのつまらない「作業」をいかに面白く、いかにエキサイティングなものにできるか…ここが塾の腕の見せ所なのだと思います。
夏休みは「基礎学力」の詰め込みにベストなタイミングです!
アップステーションは今年の夏も、「基礎学力」を徹底的に頭に詰め込む炎のチャレンジャーを開催します。
全5科目1300問超が収録されてあり、全て「満点を取れるまで」繰り返し解かせます。
満点合格者にはシールを与え、
スタンプラリー形式で集め、
誰が完全制覇を達成できるかを競い合う…
これでつまらないはずの作業がエキサイティングな競争へと変わります。
夏期講習が間近に迫った今、アップステーションでは全教室をあげて準備を着々と進めています。
というわけで…次回はその舞台裏をご紹介していこうと思います。次回のブログもご期待ください!
まとめ
・思考力問題は小中学生にも多く出題されている。
・アップステーションの対策①「発問」を通して思考のクセを付ける
・アップステーションの対策②「基礎学力」の定着によって思考の材料を増やす
・夏は基礎学力の定着にはもってこいの時期である
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