新大学入試の全容vol.4 ~国語と数学の共通テスト~
共通テストは、従来のセンター試験と比べ「難化」の傾向をたどるのは間違いありません。
前号で紹介した記述問題の導入もそうですが、加えてマークシート問題も難易度が上がります。
共通テストでは、従来の「①~⑨の中から適するものを選べ」ではなく「①~⑨の中から適するものをすべて選べ」(これを複数解問題と言います)の割合が増えるからです。
これには2つの目的があります。
1つはマグレ防止です。約50万人が受けるテストです。たった1問2点の違いだけで順位が数百番、数千番単位で変わり、まさに1点刻みで合否が分かれます。その1点がもしマグレで答えたものだったら…というのが理由その1です。
そしてもう1つは学力3要素の2段目、「思考力・判断力・表現力」を測るためです。
複数解問題は当然正答の選択肢のみを選んで初めて点がもらえます。例えば正答が「③⑥⑧」だった場合は「③⑥」でも「⑥⑧」でもダメです。部分点はありません。ちゃんと3つ揃って初めて丸です。
また、答えが3つになるのか4つになるのか2つになるのかも当然問題文には明記されていませんので、マグレで正解になる確率はグンと低くなります。きちんと正解を導き出すにはよく考えて(思考)、具体的な裏付けをもとに選択肢を選ぶ(判断)力が問われます。まさに学力の3要素に沿っているといえるでしょう。表現力は記述問題で測るというねらいです。
受験生の学力をより正確に測るという明確な意図が見られます。また、従来よりも深い思考を要するので試験時間も国語は80分→100分、数学は60分→70分と長くなることが発表されています。
実際の問題を見てみましょう。
~まとめ~
・「複数解問題」の増加によりマークシート問題も難易度がアップ。