第4章 これからの高校3年間の過ごし方とは?

前回までのブログで2017年7月までに発表のあった情報を一通り解説しました。

ここではそれらを踏まえて、今後高校生活はどのように変わっていくのか、また、小中学校にはどんな変化が起きるのかを見ていきたいと思います。

 

①英語の資格・検定の取得が必須

2020年度以降、文科省は共通テストの「英語」は民間の資格・検定試験を活用すると発表しています。

2024年度の本格実施までは共通テストと併用するとしていますがそれ以降は全面的に資格・検定試験が活用されるでしょう。受検時期も高3の4月~12月の間で2回と明確です。

CEFR(セファール)の基準によると、英検2級が「B1」、英検準1級が「B2」レベルとなっています。

B1レベルは、

社会生活での身近な話題について理解し、自分の意思とその理由を簡単に説明できる。

・日常生活ならだいたい理解できる。

・海外を旅行中に、さまざまな対応ができる。

・簡単だが、首尾一貫した文章を作れる。

B2レベルは、

社会生活での幅広い話題について自然に会話ができ、明確かつ詳細に自分の意見を表現できる

・自分の専門分野であれば、抽象的な議論も理解できる。

・母国話者ともリラックスして、自然にやりとりができる。

・いろいろな話題についての意見を長短含めて述べることができる。

と規定されています。

文科省がこれからのグローバル社会に適応できる人材の育成を掲げていることを考えると、B2レベル、すなわち英検準1級レベルが大学入試では求められることが予想されます。(ちなみに従来のセンター試験のレベルは英検2級~準1級程度と言われています)

英検は年3回、6月・10月・1月に行われます。今後変更がなければ、高3の10月がラストチャンスとなります。ここで準1級を取っておくことが1つの目標ラインになるでしょう。

そのためには少なくとも高1の段階で準2級、高2の段階で2級を取得しておく必要があります。

 

②知識・技能の習得

2020年度から始まる共通テストでは従来のセンター試験には無かった記述式問題が出題され、大学の独自試験(一般入試)ではより自由度の高い思考力問題が出題されるようになります。

どちらも単なる知識だけでは太刀打ちできる問題ではありませんが、しかし知識がしっかり定着していないと歯が立たないのもまた事実です。

「制度が新しくなる」と聞くと「今までの学習方法ではダメだ」と、目新しい学習方法に飛びつきがちですが、基礎的な「知識・技能」を確実に習得することの重要性はどんな時代でもどんな入試制度でも変わりません。

単語、文法、漢字、公式…をきちんと詰め込むのはやはり大事なのです。むしろ今回の改革にあたってはその重要性が更に増したと捉えるべきでしょう。

「知識・技能」は言わば思考するための材料・食材です。食材が十分に揃っているからこそおいしい料理は完成します。

同様に、知識・技能が備わった上で初めて柔軟な「思考・判断・表現」ができるようになるのです。

 

③1年次からの継続的な学習が大事

2020年度以降は調査書の書式も変わります。評定平均値に加え、部活動や課外活動の実績などが詳細に、具体的に記録されるようになります。

高3の冬の受験シーズンだけ付け焼き刃的に頑張れば何とかなるという時代ではありません。一発勝負ではなく、高校3年間トータルでの実績が合否を左右するようになるでしょう。

当然、毎回の定期テストの重要性も増します。推薦・AOでもテストを課すことが発表されていますから、定期テストを通してしっかりと知識を習得し、検定も取得していかなくてはなりません。

つまり、1年次からの継続的な学習が極めて重要になるのです。

 

④考える習慣の定着

小中学生にも通じる内容ですが、知識をもとに「考える」習慣を身に付けることも大事になってくるでしょう。

今後学校の授業でそれを担おうとしているのがアクティブ・ラーニングです。

少し話が逸れるかもしれませんが、以前とある小学校でこんな授業が行われました。アクティブ・ラーニングの一例としてご紹介します。

まずいくつもの「ゆるキャラ」を見せて、自分はどれが好きか意思決定するところから始まります。そしてなぜそれを選んだのか、チームで意見交換します。「かわいいから」とか「これしか知らないから」とか「おもしろいから」などたくさん出てくるのですが、意外と同じような意見しか出ないことに気付きます。

最初はワーッとおもしろがっていたのですが、次第に「自分たちは一体何をやらされているのだろう」とモヤッとしてきます。そこで今度は「このゆるキャラたちを2つに分けてごらん」という問いを教師が投げかけます。すると「何か法則があるのではないか」とモヤモヤした感じがさらに増長してきます。チームで話し合っても収拾がつきません。

次に、「モナリザ」の縦横の比を微妙に変えた画像を数枚提示して自分が好きなモナリザを選ばせます。すると何か突破口があるのではないかと先回りする生徒が出てきます。

最後に電卓と物差しを渡します。その時、ゆるキャラの縦横の長さを物差しで測り、電卓で計算してよいかという提案が生徒から出てきました。もちろん、生徒から出た意見なのでそれは良い考えですね、やってみましょうという流れになります。

その結果、実は「2つに分けてごらん」は「黄金比」と「白銀比」に分ければよいということが判明しました。もちろん予めそのようにゆるキャラを選んでいるからなのですが、黄金比は西洋の美的な感覚で、スマホの画面とか写真のサイズとかミロのビーナスを例に出して、西洋の人が「美しい」と感じる比が黄金比と言われていることを説明します。

一方、コピー用紙や法隆寺などの神社仏閣の比は「白銀比」であることも説明し、日本人には黄金比よりも白銀比の方が馴染みがあることを伝えます。

すると自分は日本人だけれど黄金比のものを好むとか、やっぱり白銀比だとか、西洋人が好きなアニメのキャラクターは黄金比で描いているのだろうかという新たな問いが次々と出てきます。そこから話題は「美の感じ方は民族によって違うのか」「個人によって違うだけなのか」といったところまで発展します。すぐには解決しないし、正解が1つであるわけでもありません。このような問いが生徒たちから出てきたところでこの授業は終わりになりました。

この授業中、きっと生徒たちの頭の中には常に「これでよいのだろうか?根拠はなんだろう?解決するにはどうしたらよいのか?」というモヤモヤした感じがあったと思います。

2020年度以降大学入試で出題される問題は、「正解が1つではない」ものがたくさん出てきます。

それには「わからないことへの耐性」が必要であると同時に、与えられた問題に対して新たな問いをぶつけられるかどうかまで必要になってきます。この力を身に付けていくために、今後全国の小中高ではこのようなアクティブ・ラーニング型授業が展開されていくことになるでしょう。

 

アップステーションはどう変わるか

このような時代の変化を受け、アップステーションでも生徒に考えさせることを重視して指導にあたっています。

1:2個別指導の長所は分からない問題があればすぐに教えてくれるところにあるのは疑いようのない事実ですが、それでは分からないことへの耐性も考える習慣も身に付きません。

「分からない問題があった時はまず自分で調べて、考えて、やってみて、それでも分からなかったらそこで初めて講師がヒントを出す」

これがあるべき指導の姿ではないでしょうか。

分からない問題に直面した時、生徒はすぐに「分からない」「無理」と言います。しかしその中の大半はよく考えれば、あるいは過去の内容を振り返ってみれば解けてしまうものです。

生徒からしたら「早く教えてよ!もう、じれったいな!」というのが本音でしょう。しかしそこをグッとこらえて、まずは生徒に考えさせることを私たちは大事にしています。

新出単元を指導する際も同じです。

まずやらせてみます。当然習っていないので解けません。それでも、間違ってもいいから考えさせ、多少無理矢理にでも自力で解かせます。すると、その子にとって本当に手助けが必要な部分だけが浮き彫りになり、余分な指導を与える手間も省けるのです。

こうやって普段から考えさせる機会を与えることで、分からないことへの耐性や思考力が養われていくのだと思います。その積み重ねが2020年度以降の大学入試に対応できる力になることを私たちは信じています。

これは教科の指導だけでなく、例えば忘れ物をしてしまった時、宿題をやって来なかった時、確認テストで不合格だった時にも応用できます。

確認テストが不合格だった時、講師が「ハイ、じゃあ今日は居残りね」というのは簡単ですが、それだと生徒はただの操り人形になってしまいます。

そこで、アップステーションでは生徒本人に考えさせ実行させることを心がけています。

「残念ながら確認テスト合格できなかったね。じゃあ今日はどうすればいいと思う?」

宿題を忘れてしまった時は

「次忘れないようにするのはどうすればいいと思う?」

と、生徒に考えさせることを意識しています。人間誰しも人から言われたことよりも自分で考え自分で出した結論の方が行動に移せるものです。

経験上、そこで「う~ん、家に帰ってもいいと思う」という子はいません。

本人が一番よく分かっているので、周りの大人がいちいち言わなくても「う~ん、居残りして終わらせる」という返事をちゃんとしてくれます。

もちろんこれをしたからといってその日から劇的な成長を見せるかと言ったらそうではありませんが、しかし講師が何でも頭ごなしにああしろこうしろと指摘するよりかは遥かに効果があるのは間違いありません。

 

少し話が逸れてしまいましたが、今後アップステーションでは高校生を対象にした英検対策や、定期テストでしっかりと点数が取るために映像タブレットを使った指導など、時代の流れに合わせた改革を行っていきます。是非2020年度に向けた新生アップステーションにご期待ください。

2020年度から始まる大学入試改革に向け、今後も新たな情報が入り次第随時お伝えしていきます。

お子様が将来後悔の無い道を進んでいけることを、心より願っています。

 

~まとめ~

・これからの高校3年間で必要になってくるのは

①英語の資格・検定の取得

②知識・技能の習得

③1年次からの継続的な学習

④考える習慣の定着 の4つ。

・アップステーションでは生徒に考えさせる方針で指導を行っており、今後高校生対象の英検取得講座やタブレットの導入など、時代の変化に合わせた改革を実行していく。

 

※アップステーションの資料請求をしていただいた方にはもれなく「新大学入試の全容vol.1~9」の冊子版をお届けします。お問合せはお気軽にどうぞ。